冬の夜の静けさを吸い込んで、
冬の夜の静けさで肺を満たした。
静けさが広がっていく。
宇宙は あまりにも ちっぽけだと知る。
それでも、僕たちの執念は、
僕たちの体のなかに果物の香りを はらませて、
それでも、僕たちの いつくしみは、
いつくしみの果てに
不思議な断絶の親しさを つらぬいていた。
どこから来るのか わからない
のんびりとした風に ゆれている野原で、
光と暗闇が入り混じった あなたの顔を見つけた。
わたしは
光と暗闇が入り混じった顔に ゆっくりと触れた。
わたしは わたしたちの切なさの過去を感じ取るように、
わたしは わたしたちの楽しさの未来を感じた。
わたしたちは生々しく、わたしたちは真新しい。