無防備な けだものの匂い。
僕たちは、音楽にもなれる。
僕たちは、不機嫌な子ども。
僕たちは、
僕たちの あやまちを
肉や野菜と一緒に焼いて食べる。
僕たちは、
僕たちの憎悪を優雅だと思う。
豊かで、打ちのめされて、
かじかんで、爆笑して、気軽に、
僕たちの命が勝手に燃えている。
無防備な あったかさがやってくる。
僕たちは、惜しみなく汗ばんだ。
みずみずしさと
ぬくもりと
あなたに宿っていて、
わたしは泳ぐように笑った。
ただ、生きのびるために
生きている。
そして、必ず生きのびるから、
わたしは ここにいて、
あなたは そこにいる。
あなたは人間を味わった。
わたしは人間を味わった。
不気味なくらいステップアップして、
あなたの人間は ふくよかな歌声で歌い、
わたしの人間は
色鉛筆で あったかい太陽を描いた。
冬の夜の静けさを吸い込んで、
冬の夜の静けさで肺を満たした。
静けさが広がっていく。
宇宙は あまりにも ちっぽけだと知る。
それでも、僕たちの執念は、
僕たちの体のなかに果物の香りを はらませて、
それでも、僕たちの いつくしみは、
いつくしみの果てに
不思議な断絶の親しさを つらぬいていた。
どこから来るのか わからない
のんびりとした風に ゆれている野原で、
光と暗闇が入り混じった あなたの顔を見つけた。
わたしは
光と暗闇が入り混じった顔に ゆっくりと触れた。
わたしは わたしたちの切なさの過去を感じ取るように、
わたしは わたしたちの楽しさの未来を感じた。
わたしたちは生々しく、わたしたちは真新しい。