辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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じっくりと味わう

あたたかい砂の上、
はだしだった、
手も足も踊っている。
手と足は、
ひかれあって、ひざまずいて、
まざりあって、はいずり回ったり、
食べた物をすぐに吐き出したり、
鼻水をたらしたり、
ひたすら泣きわめいたり、はっとしたり、
やりたいことがたくさんある。
そのうち、ぜんぶ忘れてよく眠った。
夢の途中で、
太陽の熱をもった果物と抱きあって、
誠実さは、涙になる。
すごく楽観的で、はずむような、涙だった。

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