いいにおい
かんようしょくぶつ
めもくらむほど いきのびる
みずみずしく
からだ ひかって
からだ
はしりたくて はしりたくて
ぜんそくりょくで じぶんのからだ
もぎとって
わりとたんたんと
このまどから とびだし
いろあざやかな いきものみたいなみち
はしって はしって はしって
おもいきりとぶ
とりのいのち
おひたしにして
なんかいも
なんかいもかみくだいて
じゆうのさき
なみうつすべりだいで
あそんで
てきとうに
あおぞらうらがえして
はなうた
どく
ほろぼして
はる
こわれたなみだに
ひをくべる
ぼくら
でかいきこりに
きりさかれた
うたごえ
さかりのついた
ねこ
きたないのへいき
ぼくはたび
Perfect Day #14
無防備な けだものの匂い。
僕たちは、音楽にもなれる。
僕たちは、不機嫌な子ども。
僕たちは、
僕たちの あやまちを
肉や野菜と一緒に焼いて食べる。
僕たちは、
僕たちの憎悪を優雅だと思う。
豊かで、打ちのめされて、
かじかんで、爆笑して、気軽に、
僕たちの命が勝手に燃えている。
無防備な あったかさがやってくる。
僕たちは、惜しみなく汗ばんだ。
Perfect Day #13
みずみずしさと
ぬくもりと
あなたに宿っていて、
わたしは泳ぐように笑った。
ただ、生きのびるために
生きている。
そして、必ず生きのびるから、
わたしは ここにいて、
あなたは そこにいる。
あなたは人間を味わった。
わたしは人間を味わった。
不気味なくらいステップアップして、
あなたの人間は ふくよかな歌声で歌い、
わたしの人間は
色鉛筆で あったかい太陽を描いた。
Perfect Day #12
冬の夜の静けさを吸い込んで、
冬の夜の静けさで肺を満たした。
静けさが広がっていく。
宇宙は あまりにも ちっぽけだと知る。
それでも、僕たちの執念は、
僕たちの体のなかに果物の香りを はらませて、
それでも、僕たちの いつくしみは、
いつくしみの果てに
不思議な断絶の親しさを つらぬいていた。
Perfect Day #11
どこから来るのか わからない
のんびりとした風に ゆれている野原で、
光と暗闇が入り混じった あなたの顔を見つけた。
わたしは
光と暗闇が入り混じった顔に ゆっくりと触れた。
わたしは わたしたちの切なさの過去を感じ取るように、
わたしは わたしたちの楽しさの未来を感じた。
わたしたちは生々しく、わたしたちは真新しい。
Perfect Day #10
ホットな蛇足もある。
誰かを幸せにする ため息もある。
君の耳たぶに よく似た夜もある。
自由気ままなスパイもいる。
星々の衝突でできたサウンドトラックもある。
すてきな あえぎ声でできた惑星もある。
エレガントな初恋もある。
ヘッドフォンのような両親もいる。
絵はがきのようなレーサーもいる。
君の耳たぶに よく似た夜も明ける。
のこのこと のびのびと 広がっていく朝もある。
Perfect Day #9
ごまかして 何か わからないまま笑ったり、
もういいよね そういうの。
はるか彼方まで とどく君の声が 僕の生活。
少しの時間だけど 僕は めちゃくちゃになれる。
君は 君の最後の ため息を
ロールスロイスみたいな 一匹のハエに聴かせたんだ。
バッハって なんのことだったっけ?
アンセムって どんな味がしたっけ?
僕の胃のなかで 夏が踊ってる。
たくさんのリズムやメロディーに揺れながら、
生きてることだけじゃ足りないっすよって 夏が歌う。
僕の体のなかから、夏は僕を ずたずたにする。
夏は 元気よく もがいている。
夏は 僕の体のなかから はみ出していく。
ベイビー、君は 青い海の はるか彼方で泳いでいる。
鳥の さえずりも 草木の ざわめきも連れていく。
ベイビー、夏が 刑務所の壁をサーフボードみたいにして
サーフィンしてる。夏が 元気よく ふざけている。
ベイビー、
僕を ずたずたにしてくれて ありがとう。
僕は 行き場のない浮浪者みたいに すがすがしい気持ち。
ベイビー、僕たちは ほとんど まがまがしい笑顔で、
自分たちが呼吸していることさえも それは幼い血しぶきだった。
ベイビー、正真正銘、何もないところから 遊び心が生まれた。
Perfect Day #8
ビューティフルな ゆううつ、
粉々の お日さま、とろける気持ち、
あなたを そくばくして、
そして、
わたしたちは焼きそばを たらふく食う。
そして、
わたしたちは片っぱしから牛を描いた。
わたしの描いた牛は
砂浜に残されたビーチサンダルみたいに
たたずみ、
あなたの描いた牛は官能小説みたいに吠えた。