冬の夜の静けさを吸い込んで、 冬の夜の静けさで肺を満たした。 静けさが広がっていく。 宇宙は あまりにも ちっぽけだと知る。 それでも、僕たちの執念は、 僕たちの体のなかに果物の香りを はらませて、 それでも、僕たちの いつくしみは、 いつくしみの果てに 不思議な断絶の親しさを つらぬいていた。