平凡
無知からくる、
理由のない、はげしい失望です。
失望があるかぎり、わりと、
活字的な冒険と、
人生の冒険が一致しちゃう。
灰色に固まって死ぬような状況で、
普通なら、もう四回ぐらいは死んでるはずの、
救いようのない頭の悪さを、
見逃してしまう。
見逃してしまう、ありのままのうれしさを。
見逃してしまう、ありのままのいらだちを。
見逃してしまう、ありのままのいやらしさを。
見逃してしまう、ありのままのいやしさを。
見逃してしまう。
もう、どうすることもできない頭の悪さでも、
輝くばかりの図々しい太陽が、
仰向けにひっくり返る瞬間を、目にすることもある。
ヨガに失恋した女が、おならをしたら、
風流な松の匂いが、黙々と通り過ぎる。