木曜日
気に入らないことだらけの
狭い空間が人間の正体です。
計画性がなく、
不満をぶちまけるだけの人間です。
真夏の夕方には涼しい風が吹きました。
涼しい風にゆれる花がありました。
何回も挫折して、甘く切なく、
虫のように生きるのが人間です。
醜くて、傷ついた心が人間の正体です。
汗の匂いが人間の正体です。
人間の長男は月にウサギがいると信じています。
人間の次男は水星にウナギがいると信じています。
人間の妻は人間の夫を見つめすぎて目が悪くなりました。
「自分の中に、気持ちいい秩序を持つこと」
人間の妻はスケジュール帳に そう書き込んだ。
「ぬかるんだ道を、裸足で歩いたら気持ちいい」
人間の長女は人間の描かれている絵はがきに そう書いた。