インダストリアル
ヒントはない、ピントもあわない、
だけど、もう始まってる、自由。
自由、自由、自由、自由、自由。
さようならって言って、しがみつかないよ。
いろいろ置いて行く暮らし。
だから、自由、自由、自由、自由、自由。ぼくは背中。
よちよち歩きの背中。ぼくは ようちだから、もっと自由になる。
こわくない、この世界はぜんぶが こわいから。
もっと自由になる、この世界はぜんぶが よだれだから。
この地面すれすれに鳥が飛ぶ。
大きな馬が、巨大な ひづめで淡々と ぼくの頭を踏みつける。
頭がガンガンする。頭がガンガンする。頭がガンガンする。
ぼくの頭がガソリンみたいにヌメヌメになって、ガンガンする。
だけど、どんどん体が軽くなってくる。
どんどん、どんどん、どんどん、どんどん、どんどん、
それから、どんどん頭も軽くなって、ぼくの頭も地面すれすれに飛んで行く。
頭も体も すっかすかになって、ぼくは むき出しの裂け目。
頭も体も ぐっちょぐっちょになって、ぼくは むき出しの入れ物。
むき出しのすべてを つぎ込んでも、足りなかった。それって笑えるよ。
ワンタッチ、キャッチ、デストロイ、ステディー、細々と、読み継がれて、
この世を去った人たち、生きていく人たち、
フランス、オランダ、イタリア、イスラエル、スペイン、ドイツ、アメリカ、
中国、韓国、ポルトガル、トルコ、日本、大阪、みんなのうた。
忍耐強く、ごつごつとした手で、無力なわけないやん、生きてるんだから。
みんなの手で触って、みんなで形をつくっていけそうな感じ。
シンバル鳴らして、ジェットマシーンでトリップ、信じることは当たり前。
小鳥たちが弾丸みたいに、ぼくたちの頭脳を ぶち抜いていく。
スクリューして、ねじ込んで、のんびりと、くつろいだ関係。
突き破られながら、ほころんで、細胞と細胞の隙間から温かさの うねり。
手渡してくれた水。テーブルに並べられた ぶどう。
ハエが一匹、あなたの肩に止まった。ハエの体から、車が走る音が聴こえた。
車の中で鳴っている音楽も、車の中で交わされる会話も聴こえた。
ハエが一匹、あなたの肩に止まった。ハエの体から、車が走る音が聴こえた。
車が猛スピードで空間を切り開く音が聴こえた。
ハエの体から、
車の中で鳴っている音楽も、車の中で交わされる ぼくたちの会話も聴こえた。