辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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それでも、もっと大きな叫び声はあるはずだ

晴れた日の空の青色。純粋で巨大な血の赤色。
明日を思い出す要領で 昨日をなくしてしまう。
 
コウモリを飲み込んでいるヘビさんは
電気ウナギ君に電話をかけて「ぼくは だいじょうぶです」と伝えた。
畑の柔らかな土の上で 電気ウナギ君は叫び声を上げた。
街全体を覆う 大きな叫び声だ。
ビルが倒れた。鮮やかな水色の海岸は空に浮かんだ。
人々の背中は汗ばんだ。
柔らかく弾力があって 懐かしい叫び声だった。
大きな叫び声は這って進んだ。這って進むのは堅実だ。

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