吹きだまりのような老人だった。 ただただ不機嫌な老人だ。 いらだち、物事をうやむやにし、 酒に酔い、世間知らずの親切心を持って、 悲しみ、破産する老人だ。 老人は雪を食べた。 何の才能もない老人だった。 老人には何もなかった。 「焼き尽くされても、焼き尽くされても、 燃え残っている夢のことを、言葉だというのだ」 老人は言葉を発する。 地面に立っていた老人が顔を上げると、 たくさんの星が、すぐ目の前にある。