辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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地面に立っている

吹きだまりのような老人だった。
ただただ不機嫌な老人だ。
いらだち、物事をうやむやにし、
酒に酔い、世間知らずの親切心を持って、
悲しみ、破産する老人だ。
老人は雪を食べた。
何の才能もない老人だった。
老人には何もなかった。
「焼き尽くされても、焼き尽くされても、
燃え残っている夢のことを、言葉だというのだ」
老人は言葉を発する。
地面に立っていた老人が顔を上げると、
たくさんの星が、すぐ目の前にある。

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