辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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道ばたで

明るい月の光が
色のある「けもの」を照らしていた。
道ですれ違った「けもの」は誰かに飼われていた。
それは放し飼いだ。
雨にぬれた路上が、僕たちを見張っている。
「そうだよ」と「けもの」は言った。
「わたしの唾液は、あなたの唾液につながっている」と
「けもの」はそう言った。

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