なぜ泣いているのか分からない
野原は冷たくて、
民族音楽が熱狂のあまり虹になった。
虹は生暖かく、シャンプーの香りであふれていた。
打つべき手はもう何もないというくらいにあふれていた。
虹は着ているものを全て脱いで、銀色に変化していった。
銀色の虹は“洞窟の軽さ”と恋に落ちました。
恋はどちらかというと取るに足らなくて、
そもそも、恋が存在するかどうかさえどうでもいいことだと知って、
ありえないほど恋に落ちた。
“洞窟の軽さ”は着ているものを全て脱いで、“沼の重さ”に変化していった。
“沼の重さ”の表面にはゴム製のサンダルが浮かんでいた。
“沼の重さ”の表面を通り抜けて、“銀色の虹”がずぼずぼと沈んでいく。
世界が丸ごと飲み込まれていくみたいだった。
わたしたちはそれを憎んだ。 でも、わたしたちの体液はそれを憎まない。