辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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書き置き

初めての釣りだった。
思い浮かべたのは、
羽は生えていないけど
重力から切り離されて
空飛ぶ階段。
恋する気持ちが目玉から
こぼれ落ちて、
ピンポン台の下にもぐり込んで
死んだ。
死体の匂いはしなかった。
なまめかしい真っ昼間をきっかけに
大切な場面で白けたりしながら、
ねえ、知ってる?
人工受精の粘膜から
脱臼って感じの電子音が鳴る。

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