明るい月の光が 色のある「けもの」を照らしていた。 道ですれ違った「けもの」は誰かに飼われていた。 それは放し飼いだ。 雨にぬれた路上が、僕たちを見張っている。 「そうだよ」と「けもの」は言った。 「わたしの唾液は、あなたの唾液につながっている」と 「けもの」はそう言った。