辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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口の中で出した

日ごとに弱さを認める弱虫が
今日も生きている。
置き去りにされているものに
弱虫は唾を落とした。
置き去りにされていたものから
カラフルなあえぎ声が生まれた。
限りなく底の浅いあえぎ声が生まれた。
あらゆるみじめさや愚かしさが
恋いこがれるあえぎ声だ。
あらゆるみじめさは
こそこそセックスしてる。
愚かしさは私の家族だった。
育児をもっと凶暴にしたら戦争になった。
戦争をもっと凶暴にしたら出産になった。
カラフルなあえぎ声があふれて雨になる。
あえぎ声が外にこぼれて雨になる。
雨が地面で砕けた音のその素朴さは
愛することの無邪気さそのものだった。

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