朝がある。 愛のような朝は始まったばかりだ。 わたしは今日も出来損ないで、 ほんとうのことから目を背けるだけ。 朝日の差し込む部屋で、 ただなんとなく、穏やかな気分だった。 穏やかな気分って、とても簡単だ。 女房と九官鳥が同時に「わん!」って鳴いた。 しばらくして、 わたしの腹の虫は「にゃー!」と鳴いた。