辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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耳を澄ましている

明日で世界が終わろうと、
そもそも世界は終わることがなかった。
屋上では洗濯物が風に揺れている。
「行ってきます」という子どもの声。
朝ごはんは白い湯気を立てていた。
世界は私に そっと触れてくる。私は とまどってしまう。
あなたの言葉と 私の言葉は一致することがない。
予感には いつも事実がひそんでいた。
あなたの言葉と 私の言葉は一致することがない。
私は それをまともに受け取ることしかできない。
何回でも受け取ることしかできない。
不意の晴れ間に 私は気が狂うかもしれない。それでも 私は生きていたい。

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