We are blend. The We are blend.
幸せという言葉を引き金にして、引き金を引くことで、
何らかの衝撃が生じる。痛さのあまり、自分が死んだものだと信じて、
倒れたまま動かなくなってしまった物語がある。
クラリネットを吹いて走り回っている物語もあった。
肉体を押しつぶされても、それでも、
ピースサインを青空へ飛ばしてみせる物語もあった。
新しい青空が自分の体のなかに宿ったことを知らされて、その出来事を
噛みしめている物語もあった。
華やかでも劇的でもない物語って何だろう? 普通の物語。普通の青空。
それは、コンクリートの裂け目に咲いた花のようだった。
誰にも触れられたことのない土のようだった。たくさんの顔があって、
たくさんの嘘があった。誇りや退屈や好奇心があった。
ひたむきであるが、と同時に気まずさがある。何ていうか、
よくわからない青色や物語がある。理性と素朴さが高層ビルから飛び降りても、
路上に激突するまでは怪我はしない。それでも立ち直ろう。
じれったさが進化を続けても、びくともしない物語がある。
みっともなくて、すがすがしい青空を、みっともなくて、
すがすがしい出来損ないを、俺にくれ。大切な面影を、大切な戸惑いを、
俺にくれ。報われないことが青空だった。太陽の中心のマシュマロみたいな部分を
口の中に入れたら、どうなると思う?
条件さえ整っていれば、物語は物語を滅ぼすことができた。
滅ぼされた物語は、滅ぼした物語を知っている。それでもまだ、
何もかもを試してみたわけじゃない。ただの物語を続けよう。地味なやつ、地道なやつを、
俺にくれ。先回りしないで、ただの物語は一つずつ風に吹かれている。
あっけなく私は、たっぷりと心を込めて、私の心を地面すれすれで飛ばして、あなたと出会った。
あなたと出会っている。報われない青空が、私の心臓になる。
太陽の中心のマシュマロみたいな部分を口の中に入れたら、私たちの言葉になった。