辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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無力さと快晴を思い知らされる

色彩を かき分けて進む。
乾いた夢、乾いた雑草、乾いた歓声、
無邪気な足跡、大きな焚き火、
野心と博愛の混合、つかの間のエロチック、
適量のやましさや軽薄さ、傷跡のような記憶。
女は泥の美しさに見入っている。
男はフランスパンとガードレールを組み合わせて
ドレスを作った。
受け取ること、手放すこと、強弱、
ささやくように、身の丈の話をしよう。
身の丈の力で、自分の身の丈を積み重ねよう。
他人と自分を すり替えないこと。
私は自分と他人を すり替えてしまうということ。
私は生きていくのが精一杯だということ。
助けてください、という声しか出せない。
助けてくれて ありがとう、という声しか出せない。
助けてくれて ありがとう、という声を積み重ねよう。
「助けてくれて ありがとう」
身の丈の力で、悶えにも似た自分の本性を積み重ねよう。
おはよう、あなたと私は まだ結びついていた。
おはよう、私は自分の強さを認めるしかなかった。本性は本日も生きている。
「おはよう」私の本性は本日も生きている。

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