辺口芳典 Yoshinori Henguchi

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これは広島長崎に原爆が投下された百年後の日本の物語

出会いは いつも短い。

甘い言葉をささやいたり、すねて見せたり、
大勢の人がいて、
こんなに寄り添って暮らしている。
食器を洗ったり、子どもが生まれたり、愛撫したり、
朝でも、昼でも夜でも、嘘つきでも、変態でも、
飯を食って糞するということ。

「もっと音を立てて」
もっと音を立てて、媚びている自分がいる。
わけも分からず媚びている。
いくら隠しても、誠実は現れてしまうのだから、
根底に流れている誠実さって、まあ、のどかですね。
にじみ出ちゃうっていうのが、すごくスケベで優しいよ。
男の足は冷たかった。女の太ももは暖かい。
ただの労働、ただの生き物、ただの生活、ただの興奮、
そして、それは とても怖い。そして、それは 少し恥ずかしい。
恋人たちは見つめ合ってしまう。
生まれたばかりの赤ちゃんは、思う存分に濡れている。

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