それでもそれはうれしかった
野原を見つめて、そして退屈で、
一日一日、積み立てた血が、建築物になる。
わたしの血が、あなたの血の敷居をまたぐ、ときめき。
ねじくれた感覚。
それでも、また会いたい。
美しくない湖が、静かで、
ときどき、空からは銃声がしたたり落ちてくる。
恐いから、どきどきする。
ゆっくりと窒息して、ゆっくりと死んでいく感じ。
小さなエピソードが、いっぱいあることがうれしい。
小さなエピソードが、いっぱいあることが息苦しい。
夢と現実を同時に突きつけられた。
単独であること、独自であること。
人が人に恋をするとき、本当の恋心は地球からこぼれ落ちる。
ノンストップ、ムーブメント、正確に言えば、べつに転落じゃないんだ。
わたしは何を求めたのかな?
そもそも、何かを求める能力って、存在するのかな?
惰性だけ。
惰性という能力しか存在していないんじゃないかって気がした。惰性だけ。
失うのは、いつでも失っていいものだけだった。それでもそれは寂しかった。
命は失敗以外の何ものでもないから、ただ這うように生活していた。
地面から、いろいろな匂いがした。地面には、いろいろな温かさがあった。