風俗とか、動植物とか
格別な湿気が勝利を手に入れて、
包み隠さず女に没頭している。
生き物の足首は研ぎすまされて、
巨大な老人の右手は自分の命を
わしづかみにするためだけのもので、
情け容赦のない、あるいはトウトツに巨大な老いぼれは
回収されていくだけのファッションで、
痛みや哀愁の一切がファッションだと思い知って、
海老フライから海老を取り外して、
傷ついてもまた自分の命に没頭するだけ。
品位というものを持ち合わせていないハイビスカスの花からは
満ちあふれんばかりの泥臭さ、突き出ている。
格別な湿気は本日も勝ち続けて、
ピラミッドとウリフタツの狼とか、勇ましい女の目つきとか、
命の尊厳も含めた何もかもを剥ぎ取って、
一切の計算高さを出し切ったら、素朴さが残る。
素朴さは帰ることを知らない。 出会えることを知っている。