子ども用の自転車のカゴの中にはニンジンが入っていた
遊び続ける子どもの声は
私たちに生命を告げている。
遊び続ける子どもは道というものを無視する。土足で。
誰もその土足を他人事にはできない。これはエネルギー循環。
私たちは、一日一日、綱渡りで、一日一日、目に見えて破壊される体です。
生まれて出てきた時点で間違いは始まっていて、私たちは、
そんなところに、勢いや色気や余裕を感じたりする頭脳です。
誤解、勘違い、バグ、欠損、やみくも、妄想、過程、一編の旅、悶え、
こじつけ、愛、自由、希望、自分勝手、偏見、インチキ、寄る辺なさ。人と人は出会う。
「この夜を楽しもう」「あなたを愛している」
「あなたの命の鼓動は たくさんの人を踊らせる」「みんなで踊ろう」
子ども用の自転車のカゴの中に夏の夜が入って来て、ニンジンと愛し合っていました。
夏の夜とニンジンの鼓動は たくさんの人を踊らせます。
追伸。
夏の夜とニンジンは おでん屋でセックスをしました。
お互いの舌と舌を絡めて。
夏の夜は、
夏の夜の中指でニンジンの乳首をピンッピンッって弾きながら、腰を振り続けました。
ニンジンは、
私たちは どうしてこうも勤勉にならないといけないのかと思っています。
ニンジンは、もっと嘘が欲しかった。もっと滑稽な仕草が欲しかった。
セックスを終えると、夏の夜とニンジンは抱き合ったまま おでん屋を出て行きます。
「うどん屋に行ってキスをしよう」と夏の夜はニンジンの耳元で密やかに伸びやかに そう言った。
夏の夜とニンジンは うどん屋でキスをしませんでした。
夏の夜とニンジンは うどん屋で おでんを注文しました。