広々としたアクロバット
心拍数とかタンバリンとか細胞とか
ごつごつした両手で包み込んで
こんがらかった記憶力とともに
何度となく
取り消せないたぐいの安心感を分かち合った。
心の底から爽やかに笑えること。
欲しくないものは欲しくないものだということ。
あるいは単純に
取り消せないたぐいの欲望は
取り消せないたぐいの欲望だということ。
救いようがない欲望は勝つことしかできなかった。
もっと救いようがない欲望は勝ち続けるしかなかった。
負けるものはそもそも欲望じゃなかった。 それを認めた。
絶え間なく
取り消せないたぐいの生命は
勝ち続けるしか選択肢のない欲望だった。
永遠に勝ち続けるしかない生命が今日も勝っていた。
負けるものはそもそも生命じゃなかった。 それを認めた。