元気で暮らしているよ
たしかに、はるかに、手を、ひらひらさせて、
ものと、ものとが、こすれる音、ねぼけた顔、ねぐせ、
窓から見える風景、オウトツ、人々、レストラン、
ジャグチ、マツ毛、水滴、うなじ、汗、鉄、コンクリート、植物、
バックミラー、バックミラーの中の視線、
液体を飲み込む友だち、ビニール袋が空に舞い上がる。日常の音かっこいい。
センタクバサミはセンタクモノを待っている。
捨てられて、拾われて、会ったばかりなのにキスをする。
セカイの常識には何の根拠もない。人は死ねない。それは不快ですか?
力と力の関係。食うもの食われるもの。
モノを壊したかった。壊すモノは何でもよかった。
こんなふうに言葉にしているうちに、
どこもかしこもフィクションになってしまうから、伝達は破裂してる。
女と男は別れました。何よりも、別れ際に玄関先で見せた男の無表情が印象に残った。
男は醒めているのだ。
一緒に夕食を食べて、たまには一緒に飲んだりして、私たちは醒めているのだ。
取り残された女は、挫折を感じました。
「挫折って、すごく嫌な言葉だけど、とても新鮮だ」
女は身軽になったような気持ちにさえなった。
夜に眠って、朝起きることから、女の生活は始まりました。たしかに。明らかに。