照らされることがなくても
雨が降っていた。
風が吹いていた。嵐だった。
輝かしい出来事として僕たちは ずぶ濡れだった。
世界は僕たちに用意された絵の具だった。
僕たちは絵の具で車を描いた。
僕たちは嵐に向かって車を走らせる。
水しぶきは水色だった。
車の中で僕たちは幸せな気持ちだった。
僕たちは幸せで健康だった。僕たちは たくさん笑い合った。
ありのままの自分として僕たちは笑った。
僕たちは
たくさんの笑顔と健康と想像力が最優先であることを見失わなかった。
「僕たちは切り開いていくしかないんだね」
僕たちは本当に わがままな うすのろどもだ。
わがままな うすのろどもは
殴られても踏みつけられても本当にやりたくないことは本当にやらないだろう。
「それで、出会いたい人と出会えたのだ」
「それで、出会いたい人と出会えたのだから最高だ」
水しぶきも嵐も水色になって、
水色のトンネルを くぐるみたいで僕たちは それが嬉しかった。